高輝度光科学研究センター 研究プロジェクト推進室 高性能多元素ナノ合金解析チーム

チームのミッション

Our Team Mission

革新的多元素ナノ合金触媒基盤技術開発と学理構築のための
高輝度シンクロトロンX線を用いた多元素ナノ合金の原子配列、電子状態の解析

研究プロジェクト推進室 高性能多元素ナノ合金解析チームでは、地球資源循環を通じた脱炭素化に向けた革新的触媒技術の開発・実証事業(環境省)において、 「革新的多元素ナノ合金触媒・反応場活用による省エネ地域資源循環を実現する技術開発」(2022~2029年度)に基づき、当該技術の開発、実証、社会実装に参画し、 大幅な二酸化炭素一酸化炭素の削減や化石燃料に依存しない循環経済の実現に貢献します。 革新的多元素ナノ合金触媒基盤技術開発と学理構築に関する技術開発を目指す京都大学のもと、高輝度シンクロトロンX線を用いた多元素ナノ合金の原子配列、電子状態の解析がJASRIのミッションです。

チームの役割

高温・ガス雰囲気下での反応計測の実現

in-situ /operando計測環境の構築 反応場下多元素ナノ合金と担持体分離 原子配列構造の抽出へ

抽出した原子配列・電子状態と計算科学との融合

自動計測システム、自動データ処理 & DB 連携 データ科学へ

ハイスループット評価環境の開発

測定条件自動調整システム、自動計測システムの構築

チーム構成

X線回折、X線分光のプロフェッショナルがミッションを遂行します

group-composition

チームでの計画

新規高分解能粉末回折装置

多元素合金への適用に向けた課題

  • SPring-8の高輝度・高エネルギーX線を最大限利用したハイスループットXRD計測による多元素ナノ合金の原子配列構造評価
  • ハイスループットXRD/PDF計測技術の発展的活用による多元素ナノ合金の未知原子配列解析手法の確立
  • 多元素ナノ合金触媒のin-situ/operando環境下における原子配列変化のその場観察システムの開発へ

新規高分解能粉末回折装置

担持体とナノ粒子の混在状態の原子配列解析

PDFの差分解析を高度化し、合金ナノ粒子の未知原子配列を分離抽出する

結晶PDFの解析の高度化
(RMCとPDFguiアプローチの解析高度化)


担持体と合金ナノ粒子へ適用(解析に必要な測定の最適化)

混相材料のPDF解析

混相材料のPDF解析

多元素合金の電子状態解析への挑戦

X線発光分光法: 電子状態解析への有用なツール

  • 多元素ナノ合金での元素選択的・電子軌道選択的X線分光法の構築
  • 機能性解明に向けた最適な電子状態分析手法の確立
  • 実環境下 (in-situ, operando) でのX線発光分光計測の実現のための技術開発
  • 高エネルギー領域 (> 15 keV) 以上への拡張に向けた技術開発

多元素合金への適用に向けた課題

  • 微弱な信号強度
  • 吸収端・蛍光X線エネルギーの重畳
  • 元素濃度に起因した問題
  • 多体効果に起因した問題
  • 機能性解明に繋がる解析手法


大気圧HAXPES

実環境下におけるHAXPES計測の実現のための技術開発

最新の光学系による高強度入射ビーム

  • 入射ビームに最適化したアパーチャー
  • 大気圧下計測に対応した装置

特徴

  • 計測時間の短縮/ハイスループット化
  • 試料周りの広いワークスペースを確保
  • 試料の電気化学的な状態の計測
  • 反応ガス雰囲気下のオペランド計測

HAXPESによる元素選択性を有したオペランド計測により、多元素の個々の電子状態を分離解析し、触媒プロセス等を詳細に評価する。